2021.03.28ブログ
まったく違う意見、まったく違うタイプの人が集まってこそ、チームは強力になれる!

目次
- ○ 日本のよくある会議の光景とは?
- ・1.権威、強い立場の人の意見が通ってしまう。
- ・2.嫌いな人の意見には反対する人がいる。
- ・3.自分の意見が正しい、という考えが強く、別の意見を聞こうとしない。
- ○ ブラジル人の学校に行って、驚いたこと
- ・1.誰が言ったから従う、ではなく、納得したらそれに従う、という生徒たち
- ・2.みんなができるようにみんなで考える。
- ○ 日本的な話し合い時の雰囲気や決め方についての疑問
- ○ これからの社会には必要な3つのこと
日本のよくある会議の光景とは?
クララです。
皆さんが、もし自分自身がリーダーでチームを作るとしたら、自分と同じような考えや同じタイプの人を選びますか?
その方が、意見がまとまりやすいし、行動もひょっとしたら早いかもしれません。でも、実はそれではチームは強くなれないのです。
ただし、ここで問題があります。あまりにタイプや考え方が違うと、あの人の考え方は分からない、あの人は嫌い、というようなことで、話し合いが感情的になってしまって、話し合いの目的に沿わない話し合いになってしまいます。
実際にそういう事が沢山あります。
そうなってしまったら、そのチーム、その組織はバラバラになってしまいます。皆さんのところのチームや組織はどうでしょうか?
組織の中で重要なことは、話し合いや会議です。
これまで私は、公立学校、日本語関係、また様々な会社との交流や地域の役員会、PTAの会議、部活においての父母会、趣味やサークルなど様々な場での会議に参加してきました。
その中で、次のような会議が多いことを感じてきました。
1.権威、強い立場の人の意見が通ってしまう。
権威のある人、立場の上の人が意見を述べると、反対意見があっても、その権威のある人、立場の上の人の意見が通ってしまう、ということをよくみてきました。
2.嫌いな人の意見には反対する人がいる。
その意見が良い、悪いではなく、その人が嫌いだから、その人の意見に反対する。という人がたまにいます。また、その人の意見はなんとか覆そうとする人もいます。
3.自分の意見が正しい、という考えが強く、別の意見を聞こうとしない。
反対の意見や、別の考え方での意見を言っても、一向に聞き入れない。
会議は、その意見を承認させるための会議というような会議もあります。
などです。
このような場面を沢山みてきました。
もちろん、それぞれの意見をよく聞き、その上で決められる会議もありました。
ブラジル人の学校に行って、驚いたこと
1.誰が言ったから従う、ではなく、納得したらそれに従う、という生徒たち
私は、日本にあるブラジルの子供たちのためのブラジル人学校に7年ほど日本語教師として働いていました。そこでの出来事です。
そこは、0歳児から高校生まで、ブラジルの子供たちがブラジルの教育のやり方で勉強をする学校です。
私が日本語を教えていたクラスの一つに、5歳児から小学5年生までが、一つのクラスとなっているクラスがありました。そこで日本語を教えていたのですが、休み時間に小学5年生の生徒がいたずらをしました。私は実際そこにいませんでしたので、それがどんないたずらかはわかりませんでした。
そこに誰かが言いにいったのでしょう。校長先生が来られて、その生徒に注意しました。ところがその生徒は「ふん。」という感じで、校長先生の話をよく聞いていませんでした。
その後、同級生の女の子が、その生徒になぜ、その生徒が悪かったのかを説明しました。その生徒はポルトガル語で話していたので、私にはその内容は分かりませんでしたが、そのいたずらした男の子は真剣に聞いていました。
そして、しばらくするとその男の子は、すぐにクラスの1人1人に謝り、さらに5歳児にまで謝ったのです。わたしは、この光景を見て驚きました。
このようなことは、こればかりではありません。職員会議においては、若い先生も、昨日入ったばかりの先生も、これまでの学校の事例を出しながら、こういう風にするとよい、という意見を堂々と出します。時には、激論をかわします。私はその場に居合わせて、この後どうなることか?と心配したほどでしたが、その後、激論を交わした先生同士が肩を組んで仲良く楽しんでいました。
2.みんなができるようにみんなで考える。
高校3年生は卒業旅行に行きます。その時も沖縄に行くということが決まっていました。ブラジルの学校は茨城県つくば市にある学校なので飛行機で行くため旅費がかなりかかります。中には、その旅費が出せない家庭もあるわけです。
そこで、高校3年生の生徒たちは、みんなが行けるためにみんなで話し合い、何か月も前から先生や父兄に、自分たちが創った飾りや置物を売ったり、先生や父兄に当たり付きのくじを売ったりして、その費用を捻出したのです。もちろん日本の学校では様々な制約があり、同じようなことはできないと思います。できない立場の人たちのことをみんなで何とか行けるようにと知恵を働かせ、協力し合って、それを応援する、ということに、これこそチームワークの原点だと感じたのです。
このようなことは他にもありました。高校を卒業し、ブラジルの大学に行きたい、と思う生徒がいて、その生徒がブラジルに行く費用もないと聞いた友人たちが、それぞれの友人たちに呼びかけ、パーティーを開催して、多くの人を呼びその参加費をそのブラジルに行きたい友人に渡したそうです。
日本的な話し合い時の雰囲気や決め方についての疑問
このようなことから、私は、これまでの日本的な話し合い時の雰囲気や決め方について疑問を持つようになりました。
また、筑波大学の教授から、こんなお話を聞いたことがあります。
筑波大学の学生はとても優秀だが、講義についてや何かについて意見を発表するということになると、ほとんど意見がでないのだそうです。しかし、意見を紙に書いて下さい。と言って紙を渡すと、ほとんどの学生はいろいろな意見を持っており、しっかりとそれを書いて提出するのだそうです。優秀な学生でも、なかなか意見をみんなの前で言う、ということに苦手意識があるようです。
こんな話しをかつて新聞で読んだことがあります。
いろいろな国々の高校生が集まって、それぞれの意見を述べあう、という時に日本の高校生は、自分の意見をしっかり言うことができず、他の国々の学生は、しっかり堂々と自分の意見を言う事ができているのに対して、とても恥ずかしい思いだったと付き添った方々は感じたそうです。
私は、かつて公立学校の教師をしていた経験から、日本の教育の中にはアメリカやブラジルのように本当の意味での話し合うこと、例えばディベートのような教育がなされていないことも大きな原因だと思っています。
しかし、そのような中で育ってしまったとしても、企業は日本だけを見ていては、世界の中でやっていけません。また、国際社会の中での話し合いも様々な分野でしていかなければなりません。その時に、この考え方、違う考えが出てきたら、それは、もっと良いものを見出すチャンスなのだ、ということを思うことができて、相手の意見も聞き、自分の主張すべきことも伝え、そのうえでより良いものを見出していこう!というものがこれからの社会には必要になってくると思います。
これからの社会には必要な3つのこと
1. 目的を全員がしっかりと自覚していること。
何のための会議なのか、それを全員がわかっていること。そしてもしそれが途中で話し合いがそれたら、それに対して司会者が軌道修正しなければなりません。
2.その目的のためのことであればどんな意見も受け入れるという雰囲気が大切です。
3.違う意見でも、よく聞き、それを認めてその上で自分の意見も言うようにします。
これが実践できると、AとBの違う意見から、さらには、A,Bを超えたさらに良い意見Cが生まれます。
これって、聞けばそうだよね。
と誰しもが頷くことだと思いますが、実際の会議の場では以外に難しいことですよね。
そこで、何が必要になってくるかというと、「感情コントロール」です。
実は会議のための「感情コントロール」スキルがあります。
このスキルは、会議のみならず、夫婦でも親子でも、いろんな場で応用できます。